元水泳指導員の自立支援の日々「水泳と自立」
2020年4月より常勤スタッフとして働いております三嶋です。
以前はスポーツ施設にて、幼児から高齢者までに対して水泳のインストラクターを10年ほど行っていました。
今回は、働き始めて2カ月、お仕事内容が一変する一方で、今思う「変わらないもの」「大切なこと」、ひいては私が考える「水泳と自立」についてお話ししたいと思います。

初心者の水泳指導で初めての方に対して、必ず聞く事があります。
「自分なりにで、かまいません。フォームなんて気にしない!そうしたら25mを泳げますか?」
多くの場合、「泳げる」と返ってきます。
泳げる≪けれど≫参加する。つまりそれは、
・泳ぎ終わった後に世界の終りのような疲労感と息切れがある。
・いつまでたっても向こう岸につかず、遅い。
・より早くなりたい。
・より長い距離、時間泳ぎたい。
・より楽に泳ぎたい。
など、皆、悩みや改善、進歩を求めてきているということです。
自身の泳ぎ(フォーム)を変えるのはとても大変なことです。
何故なら泳いでいる自身の姿が見えないから、そのため動きが合っているのかわからない。そしてどんなに崩れても25m泳げてしまう。
改善を試みても辛くなったり、焦ってしまうと、元の泳ぎに戻ってしまう。どんなに崩れても25m泳げてしまうから。
指導の中ですぐに改善することもあれば、逆にぎこちなくなってしまう、泳ぎにくくなってしまうこともあります。しかし、その時の≪楽≫で泳ごうとしてしまうと、簡単に前のフォームに戻ってしまいます。
出来る実感がないまま闇雲に泳いでもいい結果は得られません。意識すること、意識を続けること。指導を受けてすぐ結果が出ることは稀です。
指導はあくまできっかけ、現状確認、改善案の提示です。それをものにするかどうかは本人の努力次第です。
「そんなのいいから、教えろよ」と功を焦る方もいらっしゃいますが、まずは今までの泳ぎを振り返り、頭で理解し、体を動かしていかなければ、よい泳ぎに繋がらないと思います。
水という不安定な中で、うまく泳げず、隣で泳いでいる人に対し、劣等感を感じてしまう。そんな中で自問自答しながら自主練を重ね、次の教室の日を迎える。

私生活に通じることありませんか?
日々生活の事、自分では自身のことが見えにくかったり、自分にとって良い取り組みとわかっていても途中でくじけて、楽な方へ戻ってしまう。他者との違いに落ち込み、時に怒り、自分が進んでいるのか、止まっているのか、戻っているのかもわからない。
そんな方の自立を目指す場としてここ自然堂はあります。
利用者の方々の力になり、寄り添い、共に成長を目指しています。
以上、「水泳と自立」でした。